旅日記 秋のシシャモとアイヌ文化に触れる

北海道も遅い初雪が降りそろそろ雪道に注意しなければならない季節
ただ、まだまだ根雪には時間がありそうだしコロナも沈静化しているので、ドライブは今のうちに行っておこう!という事で、ちょっと足を延ばして日高方面にドライブ

今回の目的地は鵡川町のシシャモの買い出しと、平取町のアイヌ文化博物館を目指します

本当のシシャモを買いに行く

北海道に移住してから知ったのですが、本州のスーパーや居酒屋で出てくるシシャモは、北大西洋で捕れる「カペリン(カラフトシシャモ)」というもので、本当のシシャモではないんです。

北海道の太平洋側で捕れる本 シシャモ は、うっすら桜色の魚体で見た目でも違います。
関西に住んでいたときは、 シシャモ と言えば「子持ちシシャモ」を好んで食べてましたが、北海道に住んで本 シシャモ を知ってからは、身の味がシッカリしているオスのファンになってます。😄

なので買い出し先は、そんな本シシャモをウリにしている鵡川町の有名店「カネダイ大野商店」に行くことに

今年は赤潮や水温上昇もあり不漁と聞いてましたが、とりあえず店頭には恒例のシシャモのスダレができてます。

北海道のシシャモは、主に北海道の太平洋側にある鵡川町の特産なのですが、本来は太平洋側全域で捕れる魚です。ところが、今では襟裳岬以西の「絶滅のおそれのある地域個体群 」となっています。
実際にサンマと同様に最近は不漁が続いていて、値段も上がってきました。

シシャモはカムイからの贈り物

アイヌの言い伝えでは、ある日飢えに苦しんでいた鵡川のアイヌ集落を見たカムイ(神)が、柳の葉を魚に変えて放流したという話があります。
シシャモを漢字で「柳葉魚」と書くのは、こういった言い伝えから来たそうです。
それだけ豊富だった魚のはずが、今では絶滅危惧種にまでなってしまっています。

その昔、乱獲で数を減らしたニシンは最近は復活の兆しがあります。水産資源も保全を進めて、また美味しいシシャモを気兼ねなく食べられるようになって欲しいものです。

アイヌ民族の聖地 二風谷へ

鵡川からほど近い平取町の二風谷へ

ここは昔からアイヌの聖地とされ、今も文化の伝承に力を入れている所
うん30年程前にも来たことがあり、その際はまだ二風谷ダムができる前でこじんまりとした印象でした。
その後ダムが建設され、河畔には立派なアイヌ文化博物館が建設されました。

最近は漫画ゴールデンカムイの人気もあり、アイヌ文化に注目が集まっていますが、個人的には北海道に移住する前からアイヌ文様に興味があったので、久しぶりに来訪しました。
博物館の周囲の広場には、復元されたチセ(家)等、以前より屋外展示が充実していました。

館内にはそれほど広くありませんが、多くの収蔵品が展示されています。

その中で特にアイヌ文様に魅かれます

アイヌ文化の伝承のための試み

アイヌ文化博物館の近くにアイヌ工芸伝承館「ウレという施設があります。

ここは
「アイヌ工芸の伝統が息づく「匠の道」にあり、第一線の工芸家の技術にふれることができ、工芸家を志望する人たちが技術を学び、観光で訪れたり町民の人が気軽に工芸を体験できる場」
として設立された施設であり、アイヌをルーツに持たない人でも文化としてのアイヌ工芸の技術を学ぶことができます。

幸い北海道で初めての伝統工芸品として認定された「二風谷イタ」に代表される、木彫作家である高野繁廣氏からアイヌ文様や道具についてのお話しもお聞きすることができ、とても楽しく充実した時間を過ごす事が出来ました。🙏

高野氏のマキリのデザイン...格好いい!!

この日は開催されてなかったのですが、観光客向けにレーザー加工によるタンブラー制作なども行っているそうです。

なにもアイヌ文様は木彫だけにしか使ってはいけないなんてルールはないわけで、個人的にはこういった使い方は大好きです。
とても良い印章なので、ちゃんと文様の意味を理解したうえで現代に合う使い方ができればと思います。

今回の感想

「アイヌ民族、アイヌ文化」というと、なにか学問的な小難しさを感じるかもしれませんが、そもそも人の営みの上に成り立っていた文化であり、リスペクトした上でもっと身近に感じてもイイと思ってます。😌
二風谷は札幌から車で2時間弱の所なので、これからも足を運びたいし、同様の施設である白老のウポポイにも足を運びたいですね。😄

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